自宅で本格的なコーヒーを飲みたいとき、比較的手軽に淹れられるのがドリップコーヒーです。そのなかでも、手軽さを追求したいときに活躍するのがペーパーフィルターで、ドリップコーヒーの定番でもあります。今回はそんなペーパーフィルターの選び方や、おすすめ商品をピックアップしました。
目次
ドリップコーヒーの定番!ペーパーフィルターとは?
まずはペーパーフィルターの役割を確認してみましょう。
コーヒーをドリップする際にはフィルターが必要!
挽いたコーヒー豆にお湯を注ぎ、コーヒーの成分を抽出する方法をドリップと言います。ドリッパーの穴からコーヒーの粉がこぼれないようフィルターを受け皿とすることで、上手にドリップできるようになります。
そのためコーヒーをドリップするときの必須アイテムとなるのがコーヒーフィルターです。
素材の違いによってさまざまな種類があります。パルプ素材でできたペーパーフィルター、布素材でできたネルフィルター、ステンレスなどでできた金属フィルターなどがあり、それぞれ特徴が違うので、自分に合ったものを見つける必要があります。
そしてペーパーフィルターは、コーヒーフィルターのなかでももっともポピュラーで、定番化している種類です。
ペーパーフィルターの歴史
フィルターの中でも、ペーパーフィルターの歴史は比較的浅く、20世紀の初めメリタ・ベンツというドイツ人女性が考え出しました。
それまでのドリップコーヒーは、布や金属が主流でしたが扱いが難しく、誰でも簡単に、そして美味しくドリップすることができなかったのです。
メリタ・ベンツは「夫に美味しいコーヒーを飲ませたい」という気持ちから、ろ紙をフィルター代わりにしてみたところ、コーヒーの粉が入こぼれてカップに入ってしまうこともなく、コーヒーオイルも丁度良く抽出でき、さらに後片づけも簡単にできたのでした。
これをきっかけにペーパーフィルターは商品化されることになります。
今では大手コーヒーメーカーとなった『Melitta(メリタ)』ですね。
ペーパーフィルターは扱いやすくて誰にでもおすすめ
さまざまな種類のあるコーヒーフィルターですが、それぞれメリット・デメリットがあります。
ネルフィルターは通好みの味わいを楽しめますが、管理やお手入れが難しく、金属フィルターは半永久的に使用できますが値段は高く、コーヒーの味わいは個性的で好みが分かれるところでしょう。
あわせて読みたい
コーヒーフィルターの種類は大きく分けて3つ!それぞれの特徴に合わせた使い分け方
コーヒーフィルターは、どの種類を使用するかでコーヒーの味を変えます。豆の選び方や正しい淹れ方と同じようにこだわれば、自分だけのコーヒーの味が見つけられるかも...
そしてペーパーフィルターはネルフィルターと金属フィルターのデメリットをうまくカバーし、気兼ねなく使用しやすい価格帯と、誰でも簡単に使用できるというメリットが魅力となっています。
初心者から上級者にまで、おすすめできるフィルターと言えるでしょう。
ペーパーフィルターの選び方
ペーパーフィルターは定番なだけあり、ひとつのメーカーから多くの種類が発売されています。そのためまずどれを選んで良いのか悩んでしまいますが、次のことに気をつけると失敗がないですよ。
“台形”と“円錐”どちらの形状にするのか
ペーパーフィルターを購入するとき、まずは持っているドリッパーの形状に合わせなければいけません。
ドリッパーは基本的に台形型と円錐型の2種類に分かれるので、ペーパーフィルターもその形状に合わせることが必須です。
この形状の違いは味に変化が出るのですが、台形型はコーヒーを抽出する時間がゆっくりとなるため苦みが出やすく雑味が少ないのが特徴です。
お湯を注ぐタイミングやスピードなどで細かく味が変化し、自分好みの味を見つけやすいでしょう。
円錐型は、お湯が中心に向かって素早く落ちていくため、酸味が抽出されやすくさっぱりとした味わいになります。お湯を注ぐスピードをゆっくりにすることで、酸味の調整が可能です。
“漂白タイプ”か“無漂白タイプ”
次に気にしたいのが、ペーパーフィルターの色です。商品をチェックしてみると、白色と茶色があることに気がつく思いますが、これはおしゃれさを追求しているわけではなく、漂白されているかいないかの違いとなっています。
白色のものは漂白されているタイプで、紙が持つ独特の臭いを和らげ、繊維を柔らかくすることができます。
一方無漂白タイプは紙の臭いが強く出やすいものの、茶色は雰囲気が好みというファンもいます。
味に関しては、どちらも大きく変わらないのですが、臭いが変化を加えてしまうので、こだわりたい方は漂白タイプの方がおすすめです。
漂白タイプは身体に影響はない?
漂白されていると聞くと、「身体に悪影響があるのでは?」と不安になりますよね。確かに昔の紙フィルターは塩素系の漂白剤が使用されていて、身体にも環境にも不安な点が多かったのです。
そのため、無漂白タイプの茶色いペーパーフィルターが誕生したのですが、現在は技術が発達し酸素系の漂白剤が使用されるようになりました。このことにより身体に無害で、環境にも優しく、低コストな漂白ペーパーフィルターを可能にしたのです。
現在販売されている漂白タイプは、身体への影響はないと考えて問題ないでしょう。
淹れる杯数に合わせてサイズをチョイス
1回のドリップで何杯分淹れるのかでサイズを決めることが重要で、1~2杯分のものから、6~8杯分という大容量サイズまでさまざまあります。これもドリッパーに合わせて選ぶようにしましょう。
また、ドリッパーにジャストサイズのペーパーフィルターを使用するのが理想ですが、大きいものは折ったり切ったりすることで少量用にも使用できます。
逆に小さいサイズのものは大きいサイズに応用するのは難しいので、そのことも踏まえて選んでみてください。
ブランドごとに違いがある
最後にブランドごとの違いを見てみましょう。形状やサイズが合っているなら、その次は目的に合わせて選ぶことで満足度の高いペーパーフィルターを見つけることができます。
特に有名ブランドのものは味の出方にこだわりがあるので、どんなコーヒーが飲みたいのかで選んでみましょう。
ペーパードリップを考案した『メリタ』は、独自の3種構造を取り入れ、雑味を抑えられるドリップが可能です。
また、横浜に拠点を置く日本のコーヒーメーカー『Kalita(カリタ)』は、無漂白のペーパーフィルターを早くに開発していて、ウエーブしているペーパーフィルターも特徴的ですよ。コーヒーの香ばしさをより感じられる味わいが楽しめます。
さらに円錐型のペーパーフィルターに力を入れているのが『HARIO(ハリオ)』で、コーヒー成分を素早く抽出し、すっきりとした味わいとなっています。
このように、ブランドごとの特徴を理解し、より自分の好みにあったものをみつけてみてください。
美味しく淹れられる!おすすめペーパーフィルター10選
それでは、初心者も上級者も美味しくドリップコーヒーを淹れることができる、おすすめペーパーフィルターを10選ご紹介します。
【カリタ】バスケットフィルター205
神奈川県で誕生したコーヒーメーカーである『カリタ』のペーパーフィルターは、種類が豊富なので、好みのものが見つかるでしょう。
今回おすすめしたいのはバスケットフィルターで、4~5人分のコーヒーを淹れることができる大きめのタイプです。
底がフラットになっているのでコーヒーの粉が安定し、さらにウエーブがお湯を放射線状に馴染ませていくので、ドリップ技術がなくても自然に淹れることが可能です。
形状 |
台形型 |
サイズ |
20.5×9.5cm(4~5人用) |
内容量 |
50枚 |
【メリタ】コーヒーフィルター グルメ
ドイツの大手コーヒーメーカーである『メリタ』からは、グルメというペーパーフィルターをご紹介します。美味しいコーヒーを淹れるため、考えられたのがS字の構造です。
コーヒーオイルを2倍抽出することができるとされ、アロマの香りやコーヒー本来の味わいを存分に感じるこられるでしょう。
接合部が2重になっているのもポイントで、耐久性に優れ濡れた後も破れにくく、処理がしやすいですよ。また、日本で初めて“FSC(R)認証”を取得していて、パルプの材料となる森林資源を守りながら作られています。
形状 |
台形型 |
サイズ |
19.8×13.2×4.7cm |
内容量 |
80枚 |
【ハリオ】V60用ペーパーフィルター 01M
日本のガラスメーカーである『ハリオ』は、コーヒーライフを豊かにしてくれるアイテムがたくさんあります。耐熱ガラス式のドリッパーは特に人気で、それに合ったペーパーフィルターが用意されています。
V60用の円錐型フィルターは、になっていて、パルプで作られ安全性もばっちりです。ハリオは円錐型にこだわりがあり、よりコーヒーの成分を抽出することに向いていて、通好みでしょう。
時間をかけてじっくりと抽出でき、ドリップ式の醍醐味が味わえますよ。
形状 |
円錐型 |
サイズ |
14.4 ×13.5 × 7.1 cm(1~2杯用) |
内容量 |
100枚 |
【コーノ】ドリップ名人 円錐ペーパー KSシリーズ
世界のコーヒー好きから称賛されるアイテムを作っている『コーノ』は、円錐型ドリッパーの元祖です。そのため、ペーパーフィルターも円錐型を多く取り揃えているので、かなりおすすめですよ。
初心者でも扱いやすいよう横漏れしない構造になっていて、ドリップに失敗することもないでしょう。また、コーヒーの層を作ることに特化していて、香りや味わいを存分に抽出することができます。コーノのドリッパーはもちろん、さまざまな円錐ドリッパーに対応できるようになっているのも、嬉しいポイントですね。
【無印良品】コーヒーフィルター
『無印良品』は、シンプルで高品質な生活アイテムを取り揃えていますが、コーヒー関連のアイテムも侮ることができません。破格の安さですがその使い心地は抜群で、はまる人が続出しています。
例えば、手の乾燥具合などでペーパーフィルターは開きにくいのですが、無印良品のものには少しだけ切れ目が入り簡単に開くことが可能です。
このちょっとした心遣いで、ストレスフリーにドリップコーヒーが楽しめますね。日本で作られ、パルプ100%という安心感も魅力となっています。
【カルディ】コーヒーフィルター102 無漂白
輸入食品とコーヒー豆を取り扱う『カルディ』は、流行に敏感な女性から人気のショップです。なんと言っても厳選された良質なコーヒー豆が人気で、その種類の多さも素晴らしいためコアなファンが多くいます。
美味しいコーヒーを多くの人が手軽に飲めるようにと、オリジナルのペーパーフィルターの販売も行なっています。価格がお手頃な無漂白タイプで、デイリー使いに最適でしょう。
また、圧着部分は接着剤が使用されていませんので、安心して使用できます。
形状 |
台形型 |
サイズ |
23.5×14.5cm |
内容量 |
100枚 |
【キーコーヒー】円すい形コーヒーフィルター無漂白
『キーコーヒー』のペーパーフィルターはとてもシンプルで、使いやすさが追及されています。ドリッパーにぴったりと密着し、円錐ドリッパー初心者でも扱いやすいのが魅力です。
また、無漂白のパルプ100%で作られているので、安心して使用できますね。キーコーヒーが販売しているクリスタルドリッパーとの相性が抜群なので、気になる方はチェックしてみましょう。
形状 |
円錐型 |
サイズ |
21×6.75×13.5cm |
内容量 |
40枚 |
【ケメックス】フィルター 3カップ用
個性的なドリッパーで有名な『ケメックス』は、科学者によって考案されたコーヒーブランドです。
特徴的なドリッパーに合うよう考えられた専用のペーパーフィルターで、ケメックスのドリッパーを使用しているなら必須アイテムと言っても過言ではありません。
さらにケメックスのペーパーフィルターは、通常のものより20~30%強度があり、コーヒーの雑味を取り除くことが可能です。よりクリアな味わいを感じたい方に、おすすめでしょう。
形状 |
円錐型 |
サイズ |
33×21cm (小さい半円を含む) |
内容量 |
100枚 |
【全国家庭用品卸商業協同組合】コーヒーフィルター 102 無漂白
『全国家庭用品卸商業協同組合』のペーパーフィルターはバージンパルプ100%を使用して作られ、コーヒーの雑味をしっかりカットしながら美味しさだけが抽出できると評判です。
使いやすい台形型で、2人用程度の台形ドリッパーならサイズが合うものが多いのが嬉しいですね。たっぷり100枚入りなので、気兼ねなく使用できるでしょう。
形状 |
台形型 |
サイズ |
2~4人用 |
内容量 |
100枚 |
【大紀商事】コーヒーフィルター珈琲パチット
もっと手軽にドリップコーヒーが飲みたいという方におすすめしたいのが、『大紀商事』のペーパーフィルターです。
これまでのドリッパーにセットするものとは異なり、コーヒーカップに直接取りつけることが可能です。1杯分だけを素早く作りたいというシーンなどで重宝し、よりドリップコーヒーを身近に感じることができますよ。
さらにこの手軽さなのに蒸らしも本格的にでき、コーヒーの美味しい成分をしっかりと抽出できます。
形状 |
― |
サイズ |
8×7.4cm |
内容量 |
100枚 |
ペーパーフィルターはポイントを押さえて選ぼう!
ドリップコーヒーを淹れるときの必須アイテムであるコーヒーフィルターは、種類が豊富ですがその中でもペーパーフィルターが扱いやすく、初心者からプロまでが愛用する定番商品です。
選ぶときは形状、サイズ、漂白の有無、そしてブランドを考慮して選ぶと、失敗なくベストなものが見つかるでしょう。お気に入りのペーパーフィルターを使って、美味しいドリップコーヒーを淹れてみてください。