コーヒーを自分で淹れるとき、インスタント派ですか?ドリップ派ですか?見た目は似ていても、このふたつには大きな違いがあります。今回はそれぞれの特徴を比べ、メリットやデメリットを解明してみましょう。どちらが自分に合ったコーヒーの淹れ方なのか、参考にしてみてください。
目次
インスタントコーヒーとドリップコーヒーの特徴を知ろう
インスタントコーヒーとドリップコーヒーは、粉状になっていれば一見同じような見た目で違いが良くわからないという方もいるかもしれません。
子供の頃ドリップコーヒーの淹れ方など知らず、インスタントコーヒーと同じように、直接お湯を注いでしまった経験が私にもあります。
しかし、インスタントコーヒーとドリップコーヒーというのは全くの別物で、それぞれ特徴があるのです。その違いを知れば、どちらのコーヒーの方が自分に向いているのかがわかりますので、まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。
インスタントコーヒーとは?
インスタントコーヒーとは、あらかじめ抽出してあるコーヒー液を、粉末状にした加工物です。水分が完全に飛ばされたコーヒーなので、お湯を注ぐと熱で粉が溶け、コーヒー液に戻るという仕組みになっています。
コーヒーを抽出するまでの過程はドリップコーヒーと同じで、その後乾燥させる工程が加わったというものなんですね。そして、この乾燥のさせ方には“フリーズドライ製法”と“スプレードライ製法”という、2種類の方法があります。
フリーズドライ製法
マイナス40度以下の低温のなかで処理をするのが、“フリーズドライ製法”です。一度冷凍させてから細かく砕くので、高熱をかけないためコーヒーの香りが損なわれにくいのが特徴です。
しかし工程に手間がかかっているので、インスタントコーヒーのなかでは割高になります。
スプレードライ製法
コーヒー液を霧状にし、高温で一気に乾燥させる方法です。一度に大量に製造できるため値段が比較的安価になりますが、コーヒー本来の香りが飛んでしまうのが難点です。
メリット
- お湯に溶かせばどこでもすぐに飲める
- 安さを求めればかなり安価なものもある
- ゴミが少なく後片付けも楽
デメリット
- コーヒー本来の香りは弱い
- こだわりの味を求める方には物足りない
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ドリップコーヒーとは?
コーヒー豆を挽いて粉状にし、専用のフィルターに入れてからお湯を注ぐことで、コーヒーの成分を抽出すしたものをドリップコーヒーと言います。
挽いた豆を使用していれば、コーヒーマシンでドリップしたのも、自分の手でお湯を注いでドリップしたものでも、同じドリップコーヒーです。使用するフィルターには定番の紙をはじめ、上級者向けのネルや、壊れるまで使用し続けられる金属フィルターなどがあり、どれを選ぶかでコーヒーの味の変化を楽します。
メリット
- コーヒー本来の香りを感じることができる
- 奥深い味わいを楽しめ、こだわりの味を追求できる
デメリット
- 抽出するのに時間がかかり手間
- 豆以外にも器具や消耗品の購入が必要
- ゴミが出るので掃除が面倒
インスタントコーヒーとドリップコーヒーを比較!
インスタントコーヒーとドリップコーヒーの特徴が分かったら、成分、味、コスパの面からこの2種類を徹底比較してみましょう。
成分の違いはある?
成分は基本的に同じ
インスタントコーヒーは加工されている分、何となく健康に悪そうと思っている方もいますが、実際はドリップコーヒーと成分は変わりません。
インスタントコーヒーを製造する過程では何かを加えているわけではないので、ドリップコーヒーと同じようにコーヒー豆の成分がそのまま抽出されています。そのため基本的な成分の違いはありません。
カロリーには違いが出る
ただ注意したいのが、カロリーには微妙に違いが出ます。ドリップコーヒーは100mLあたり4kcalなのに対し、インスタントコーヒーは100gあたり288kcalで、1杯淹れるときは2g程度の使用となるため6kcal程度となります。
微妙な差ではありますが、インスタントコーヒーは水分を蒸発させているため、凝縮される分カロリーが高くなるのです。
美味しいのはどっち?
ドリップコーヒーに軍配
最近のインスタントコーヒーは豆にもこだわり、煎り方や産地などから自分好みのものを選びやすくはなっています。しかしドリップコーヒーと比べると、どうしても香りや味が劣ってしまうのが現状です。
インスタントコーヒーはすでに抽出されたものなので、自分でカスタマイズすることができず、好みのものに出会えなければ一向に美味しいと感じることはできません。
しかしドリップコーヒーは豆の種類だけでなく、ドリッパーやフィルターの種類、お湯を注ぐ温度やスピードなど細かな調節が可能なため、より美味しいコーヒーを淹れやすいのです。
安いのはどっち?
毎日コーヒーを飲むなら、コストパフォーマンスに優れているかも重要なポイントですよね。インスタントコーヒーとドリップコーヒーの、1杯あたりのコストを比べてみましょう。
インスタントコーヒー1杯分の値段
まずインスタントコーヒーですが、1杯10円~15円程度です。もちろんメーカーによって、もう少し安価なものもあれば高級なものもあります。
ドリップコーヒー1杯分の値段
ドリップコーヒーは、使用するコーヒー豆の価格に大きく左右されてしまいます。しかし一般的な豆を選ぶなら、10円~20円の間で収まるでしょう。さらにそこにフィルター代がかかり、1番安いペーパーフィルターを使用するなら、1杯あたり2~4円程度です。
ドリップコーヒーでも安さを求めれば、1杯12円程度で飲むことができます。
インスタントコーヒーもドリップコーヒーもコストに大差なし
イメージのなかではドリップコーヒーが高額だったかもしれませんが、強いこだわりがなければどちらもほとんど同じ金額で淹れることが可能です。
ただ、コストの幅が広いのはドリップコーヒーで、器具やフィルターなどにこだわれば、初期費用にかなりの金額がかかってきますので、注意してください。
ドリップコーヒーのコストを下げる裏技
ドリップコーヒーをさらにお得に飲みたいという方には、ペーパーフィルターの『2度使い』をおすすめします。
ペーパーフィルターは思っている以上に丈夫なので、1回の使用では破れることはありません。そのため、1回目の使用が終わったらコーヒーの粉だけを捨て、軽く洗い乾燥させておきましょう。
そして次回も使用すれば、フィルターのコストが1~2円と半額になり、インスタントコーヒーより安く飲むことも可能になってきます。
コーヒーをより美味しく淹れるコツ
最後にインスタントとドリップコーヒーそれぞれの、美味しく淹れるポイントを確認しておきましょう。
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インスタントコーヒー編
ただお湯を注ぐだけと思われがちなインスタントコーヒーですが、ひと手間加えるとより美味しくなります。
煎ってみる
インスタントコーヒーの粉をフライパンで乾煎りすると、香ばしさをプラスすることができます。味が物足りないと感じるインスタントコーヒーに試してみてください。
水で練る
インスタントコーヒーを、あらかじめスプーン1杯分の水で練っておくとまろやかなコーヒーになります。お湯ではなく水で練るとダマになりにくく、さらにお湯にも溶けやすくなるので試してみてください。
電子レンジで加熱
インスタントコーヒーにお湯を注ぎ溶かした後、電子レンジに30秒ほど温めてみましょう。苦みや酸味が和らいで、味がまろやかになります。
ドリップ編
ドリップ初心者のうちは美味しく淹れるのが難しく感じるかもしれませんが、慣れるほどに自分だけの味を再現できるようになります。次のようなコツを参考にしてみてください。
最適なお湯の温度をみつける
注ぐお湯の温度は、コーヒーの出来上がりを味に大きく左右します。温度は高いと苦みが強くなり、低いと酸味が強くなります。好みに合わせて、96~90℃の間で調節してみるのがおすすめです。
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しっかり蒸らす
お湯を注ぐときは一度にすべてを注いでしまうのではなく、3回程度に分けましょう。そして1回目を注いだ後は、20秒ほど蒸らし時間を取ると、コーヒーの成分がしっかりと抽出しやすくなります。
カップやスプーンを温めておく
コーヒーの適温を守るために、注ぐカップなどはあらかじめお湯などで温めておくと、よりおいしさが長持ちします。
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目的に合わせてインスタントコーヒーとドリップコーヒーを使い分けよう!
本格的なコーヒーの味を求めたいなら、ドリップコーヒーを選ぶ必要がありますが、手軽さに優れているのはインスタントコーヒーです。成分やコストは大差がないので、あとは好みの味を探し、どんなシーンで飲みたいのかで選ぶと良いでしょう。
インスタントコーヒーもドリップコーヒーも、それぞれメリット・デメリットがありますが、その違いを楽しんで美味しいコーヒーを淹れてみてください。