コーヒーを淹れるとき、お湯の温度は気にしていますか?もしもあまり美味しくコーヒーが入れられないと感じているなら、問題は温度にあるかもしれません。温度の違いで味はどのように変わるのか、適温は何度なのかなど、コーヒーの温度にまつわる疑問を解決します!
目次
コーヒーは淹れる温度で味が変化する!
コーヒーの味は豆の種類や淹れ方などだけでなく、お湯の温度でも変化します。どのように変わるのかを理解すれば、自分の好みの味が作りやすくなりますよ。
苦味と酸味のバランス
お湯の温度で変化するのは苦みと酸味で、低温ほど酸味が強く、高温ほど苦みが強くなります。お湯の温度が低いとコーヒーの成分の抽出がされにくいため、苦み成分が十分に出ません。
そもそも酸味成分は、温度に関係なくすぐに抽出されやすいです。しかも豆の挽き方や蒸らしの時間などにも左右されにくいので、低温で淹れた場合酸味が強く感じます。逆に高温で淹れると苦み成分が酸味を消してしまい、苦みが強くなります。
この苦みと酸味の絶妙なバランスをみつけるために、お湯の温度は重要なのです。
人間の舌の不思議
淹れた後のコーヒーは、最後の方が苦みを強く感じませんか?これは、時間とともにコーヒーの苦みが強くなっているわけではありません。
人間の舌は、温度が高いと苦みを感じにくいのですが、温度が下がることでだんだんと苦みが分かるため、冷えたコーヒーは苦みが強いと感じるのです。
ただし、酸味に関しては温度の影響を受けにくいので、熱々のコーヒーの場合、「飲み始めは酸味が強かったのに、冷えると苦みとのバランスが取れる」、ということも起こりますよ。
コーヒー自体の味は淹れた瞬間に決まり、あとは人間の味覚の問題で味が変化しますので、“飲みごろ”というのも意識したいですね。
コーヒーを淹れる最適な温度は?
それでは実際に、コーヒーを淹れる適温についてみてみましょう。
低温派と高温派に分かれる
一般的な適温は90℃~96℃
コーヒーを淹れる適温は好みで左右され、低温派と高温派に分かれます。これは苦みと酸味どちらが好みかにも通じるところです。ただ、一般的に苦みと酸味のバランスが良いのは、90℃~96℃以内の温度とされていています。
これは90℃を下回ると嫌な酸味と感じる方が多く、96℃を超えるとコーヒーの雑味が強く出てしまうといわれているからです。
低温で淹れたコーヒーの特徴
酸味が好きな方やコーヒーの苦みが苦手な場合、80℃〜85℃で淹れるとかなり酸味が強いコーヒーができあがります。コーヒーの雑味がほとんど抽出されないためすっきりとした味わいで、これが好きという方も多いようです。
しかし、一歩間違えると十分にコーヒーの成分が抽出できず、ただ薄いだけのコーヒーとなるので、どんなに温度を下げても80℃が限度です。
高温で淹れたコーヒーの特徴
コーヒーが持つ苦みは高温でないと抽出されませんので、パンチのある苦みが好みの方は高温で淹れましょう。ただし、高温すぎると旨味としての苦みではなく、“えぐみ”や“渋み”などを感じるようになります。
この雑味も含めておいしいと感じる場合は、沸騰したお湯で淹れても良いですが、冷えてくるとさらに苦みを強く感じることとなるので、96℃までの温度がおすすめです。
コーヒー豆の焙煎具合で温度も変えるのがおすすめ
コーヒーを淹れる温度を決めるとき、豆の焙煎具合にも注意すると、さらにおいしいコーヒーを淹れることができます。
“焙煎”とは、コーヒーの豆を炒ることで、“ロースト”とも言います。焙煎度合いで種類が細かく分かれますが、炒る時間が短い方から、浅煎り、中煎り、深煎り、となっています。深煎りになるほどコーヒー豆の色が黒いので、見た目でも判断できますよ。
この焙煎度合いは、コーヒーの味の違いのポイントとなるので、それに温度を合わせるのが上級技です。
浅煎りはあまりコーヒーの味が出ないので、90℃以上の高温でしっかり抽出するのがおすすめです。そして深入りは苦みが強い種類なので、85℃程度の低温で苦みを抑えるとよりおいしく飲めます。これを基準にして、お気に入りの豆の最適な温度をみつけましょう。
抽出温度と飲みごろ温度は別
これまではコーヒーをお湯で抽出する際の温度の話でしたが、実際に90℃のコーヒーは熱くて飲むことができませんよね。飲むタイミングの適切な温度についてもご紹介します。
飲みごろの温度は60℃〜70℃程度
人間がおいしいと感じるホットの飲み物の温度は、60℃〜70℃といわれています。これは安全に飲め、味をしっかり判断できる温度です。
90℃〜96℃で淹れたコーヒーは、カップに注いだ時点では80℃前後まで下がっていますが、これではまだ熱いでしょう。砂糖やミルクなどを入れて、スプーンでかき混ぜると丁度70℃くらいまで下がり、このとき丁度苦みを感じ始め、1番おいしい飲みごろの温度となります。
ちなみに、アイスコーヒーの場合の適温は4℃〜6℃ですよ。
コーヒーの温度を調整する方法
コーヒーの味を安定させるためには、毎回同じ温度で淹れる必要があります。そのためには、温度を調整する方法を把握し実践しましょう。
温度計でしっかりと計る
おいしいコーヒーが飲みたいと思っているなら、温度計を準備しておくことをおすすめします。沸騰したお湯を使用するなら必要ありませんが、微妙な温度を大切にするためには、温度計でしっかりとお湯の温度を計ってください。
また、温度計がついている『ケトル』も販売されていますので、コーヒーをよく飲むのなら購入を検討してみても良いですね。
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温度計がない場合の目安
温度計がない場合は、時間を測るという方法もあります。沸騰してから1分程放置すると、10℃程度下がるといわれていますが、これはお湯の量や室温にかなり左右されます。
また、お湯をカップなどほかの容器に移すと、10℃程度温度が下がるので、あくまで目安として利用してみてください。
カップを温めておくひと手間が重要
コーヒーを淹れた後の適温を保つためには、カップを温めておきましょう。カップはお湯を入れておくだけで十分に温めることができますよ。このひと手間で、適温の60℃~70℃の温度を長く楽しめます。こだわる人はスプーンやソーサーも温めています。
ホットカフェオレの場合はミルクの温めも忘れずに!
ホットカフェオレを作る場合は、ミルクの温めも忘れないようにしましょう。ミルクは沸騰すると臭みが出てしまうので、沸騰直前で火を止めておきます。コーヒーも高温の方がぬるくなりにくくおすすめです。
カップは底厚のものがおすすめ
薄いカップを使うと、すぐに熱が逃げてしまいます。しかし、厚いカップだと飲むときに違和感が強くなるため、上部は薄く、そこだけ厚いカップを探してみましょう。これだけでもずいぶん温度を保つことができます。
ほかにも、飲まない間はこまめに蓋をするなどの工夫で、長時間適温のコーヒーが楽しめますよ。
コーヒーの決め手は温度!味の変化を知っておいしいコーヒーを飲もう
コーヒーの味をこだわりたいのなら、今使用している温度について振り返ってみましょう。お湯の温度次第で、コーヒー豆の味や正しい淹れ方を効果的にすることもできれば、ぶち壊してしまうこともできます。
低温は酸味が強く、高温は苦みが強いということと、豆の焙煎度は浅いほど高温のお湯が向いていて、深いほど低温がおすすめというポイントを覚えておきましょう。これをもとにお湯の温度を調整し、自分の好きなコーヒーの味を楽しんでくださいね。