ビジネスシーンやカフェなどに行ったとき、自分だけコーヒーが飲めず、肩身が狭いと感じたことはありますか?コーヒーが飲めなくても問題ありませんが、せっかくならコーヒーを楽しんでみたいですよね。この記事では、コーヒーが苦手な原因を探りながら、おすすめの対処法をご紹介します。
目次
コーヒーが飲めない人の割合は意外と多い
取引先を訪れたときや会議のシーンで、コーヒーを出されることは多いでしょう。カフェに行けば、当たり前のようにコーヒーを頼んでいる友人も少なくないのではないでしょうか?
そこで自分だけが飲めないとなると、ちょっと気まずさを感じるかもしれません。
出されたものを飲めないのは気が引けますし、「コーヒーが飲めない」というだけで、どこか子どもっぽく見られてしまうような気がしてしまいます。
しかし、そんな悩みをかかえている人は意外と多く、『マイボイスコム株式会社』が「コーヒーの飲用頻度」を調査したところによると、コーヒーを飲むのは月に1回以下、またはまったく飲まないと答えた人は全体の1割以上いることがわかりました。
※参考サイト:MyEL|日常生活とコーヒーに関するアンケート調査(第6回)
やはり割合でいうとコーヒー愛飲家の方が多いですが、コーヒーを得意としない人も一定数いるのです。
コーヒーが飲めなくても問題はありませんが、1杯程度は飲める程度に克服しておくと、ビジネスシーンでも友人との飲食でも、選択の幅が広がります。
ちょっとした工夫や挑戦で克服できるかもしれないので、物は試しだと思ってぜひトライしてみましょう。
コーヒーが飲めない原因は?
コーヒーが得意でないという方は、まずどうして苦手なのかの原因を探ることが重要です。原因がわかると、克服の道が見えてきますよ。
コーヒーが苦手と感じる要因は、「コーヒーの味が苦手」「カフェインが苦手」「病気の可能性」の3つに分類されます。
それぞれの特徴が自分に当てはまるかチェックしてみてください。
コーヒーの味が苦手
コーヒーが好きな人のなかにも、「子供のときは飲めなかった」という人は少なくありません。
コーヒーは独特な苦味や酸味が特徴で、ビールやゴーヤなどと同じように、始めは苦手と感じやすい味です。
酸味が苦手
コーヒー豆は、コーヒーノキになる果実、コーヒーチェリーから採れた種です。コーヒーチェリーは柑橘系のフルーツのような酸味を持っていて、その味わいが種にもあります。
そのため、本来コーヒーが持つ酸味はフレッシュでフルーティーなもので、オレンジやベリーのような味わいなのです。
しかし、コーヒーの酸味が苦手と感じている方は、コーヒー本来の酸味ではなく、劣化による悪い酸味を感じている可能性があります。
どれだけ良質なコーヒー豆でも、時間が経ちすぎていたり保存方法が適切でなかったりすれば、ツンと刺すような嫌な酸味が出て、「苦手」と感じてしまうでしょう。
苦味が苦手
コーヒー好きの方は、苦味を楽しんでいることも多いでしょう。コーヒーの苦味の要因は3つあります。
「コーヒー豆本来が持つ良質な苦味」、「焙煎による香ばしい苦味」、そして「過抽出による不快な苦味」です。
そもそも苦味が苦手な人は、3つとも好きになれない苦味かもしれませんが、大人になると苦味に慣れて食べられるようになるものが増えます。
しかし、コーヒーを淹れる際に抽出時間が長すぎたせいで出る雑味やえぐみは、ほとんどの人が慣れない苦味と感じるでしょう。
コーヒーの苦味は、淹れ方次第で緩和することができます。
後味が好きじゃない
「コーヒーの後味が好きじゃない」という方もいるでしょう。
その場合、始めはコーヒーの温度にごまかされ味を感じにくく、温度が下がった頃に雑味を察知しているのかもしれません。
コーヒー豆の劣化や抽出方法のミスなどで、コーヒーの雑味が出ているコーヒーは、もちろん後味も舌触りが悪く、のどに引っかかるような味わいになります。
酸味や苦味と同じよう、コーヒー豆の質と淹れ方を徹底すれば、改善できるかもしれません。
カフェインがNGなのかも
コーヒーの味自体は平気なのに、コーヒーを飲むと体調に違和感が出るため苦手と感じている方もいます。
その場合、「カフェインが苦手」または「受け付けない」という体質の可能性があります。どのような体調不良が起こるのかで、チェックしてみましょう。
胃が痛くなる
胃では、食べ物を消化するため胃酸と、自分自身を消化しないよう胃粘液をバランス良く分泌しています。
しかし、胃酸の分泌量が増えてしまったとき、胃が荒れて痛みを感じてしまうのです。
胃酸の分泌が増える要因は、睡眠不足やストレス、暴飲暴食などさまざまですが、カフェインも影響することがあります。
コーヒーを飲むと胃を刺激してしまい、胃酸を多く分泌させることで、胃の痛みが出ている可能性があります。
吐き気が出たり腹を下したりする
カフェインによる刺激の影響を受けやすいタイプの方は、胃の痛みだけでなく吐き気を催したり、腹を下したりすることもあるようです。
カフェインは交感神経を刺激する働きがあり、これが眠気覚ましに役立ちます。
しかし、胃や腸にも刺激を与えてしまうと、胃腸の乱れに繋がるでしょう。
病気が隠れている場合も
コーヒーが苦手と感じたり身体に不調が出たりする場合、病気が隠れている可能性もあります。
主にカフェインが影響しているものですが、次のような病気の疑いがある方は、コーヒーの摂取は避ける方が良いでしょう。
- うつ病
カフェインは精神疾患を悪化させるという報告があり、イライラや不眠を引き起こすことがあります。
- メニエール病
メニエール病は耳鳴りやめまいなどの症状が出る病気で、ストレスによる睡眠不足で発症しやすくなります。そのため、覚醒作用のあるコーヒーは不眠を悪化させる可能性があるので、摂取量を考えて飲む必要があるでしょう。
- パニック障害
カフェインは脳内の神経伝達物質であるアデノシンの働きを弱め、アドレナリンの分泌量を高めます。その結果、パニック障害の発作胃が出やすくなるため、コーヒーの摂取は控えた方が良いといわれています。
- 消化性胃潰瘍
特に胃の痛みを感じる方は、胃に何らかの病気が隠れていることも…。消化性胃潰瘍はみぞおちの鈍痛や胸やけ、吐き気などの症状が特徴で、カフェインによって症状が悪化する傾向にあります。
酷い症状では吐血や血便もあるので、心配な方はすぐに病院を受診しましょう。
コーヒーが飲めるようになりたい人のための克服術
病気によってコーヒーが飲めない方以外は、ちょっとした工夫で克服できる可能性があります。
苦手な原因と合わせて、実行できそうな克服術を試してみてください。
コーヒーの種類を変えてみる
コーヒーの味が苦手という方は、コーヒーの種類を変えてみましょう。
コーヒーは豆の種類をはじめ、焙煎方法、挽いた粉の粒度などによって味わいが変わります。
いろいろ試してみると、自分に合った味わいが見つかるかもしれません。
コーヒー豆の種類
コーヒー豆の種類はとても多く、それぞれ特徴があります。酸味や苦味苦手な方は、なるべく個性的な特徴がなく、甘みのある種類を選ぶのが良いでしょう。
コロンビアやグァテマラ、ブルーマウンテンなどは、酸味と苦味のバランスが取れているので飲みやすいといわれる種類です。
また、大量にコーヒー豆を購入してしまうと飲みきれずにどんどん劣化して酸味が出てしまいます。
新鮮なコーヒーを飲むためにも、まずは量り売りなどで少量購入をしてみましょう。
焙煎度合い
苦味が苦手という方は、焙煎度合いを変えてみるのがおすすめです。コーヒー豆の焙煎は、浅煎りから深煎りまでの中で8段階もあります。
深煎りほど苦味が増すので、浅煎りを選ぶのが良いでしょう。ライトロースト、シナモンロースと、ミディアムローストまでを試してみてください。
豆の挽き方
コーヒー豆は種類を選び、焙煎度合いを選び、さらに粉にする際の挽き方も選べます。挽き方は細挽きから粗挽きまで、5段階の粒度があります。
細挽きほど苦味が強く粗挽きほど酸味が強くなるので、自分が苦手とする味わいを避けてみましょう。
酸味と苦味のバランスが取れた、中細挽きを試してみるのもおすすめです。
砂糖やミルクで好みの味にアレンジ
コーヒーはブラックだけでなく、砂糖やミルクでアレンジができる飲み物です。甘さが加わることで酸味や苦味が弱まり、ミルクがマイルドな味わいにしてくれます。
まずはコーヒーよりもミルクが多い割合から始め、徐々にミルクと砂糖の量を減らしてみましょう。
お菓子などと一緒に楽しむ
コーヒーはお菓子と相性が良く、甘いスイーツなどと一緒に楽しむと、新しい味わいを感じられるかもしれません。
特に風味が似ているチョコレートがおすすめです。コーヒーと一緒にお菓子も用意して、休憩時間を過ごしてみるのも良いですね。
コーヒーが美味しいと評判のカフェなどに行ってみる
やはりバリスタなどプロが淹れたコーヒーは、美味しいと感じる可能性が高いでしょう。よりフレッシュなコーヒーを飲めるというのも利点です。
自分では適当に淹れてしまいがちですが、プロは細部にまでこだわっているので、これまでには感じたことがないコーヒーの美味しさがわかるかもしれません。
また、カフェなどで店員さんと親しくなれば、コーヒーの知識やおすすめの飲み方などを教えてもらうことができ、より好みのコーヒーに出会えるはずです。
コーヒーの味に慣れるまで耐える
「子どもの頃は苦手だったものが、食べられるようになった」という経験をしたことはありませんか?子どもの頃は苦味や酸味、辛味などの刺激に敏感で、苦手なものとして排除してしまうことが多いです。
しかし、大人になるにつれて苦味に慣れ、いつの間にか美味しいと感じることも少なくありません。コーヒーも同じなので、味に慣れるまで我慢して飲み続けてみるという方法もあるでしょう。
または、コーヒー味の飴やゼリーなどで味わいに慣れるのもおすすめです。
コーヒーの味はOK!身体の不調を起こさないための方法
コーヒーを飲むと身体の不調が出やすいという方は、特に飲み方に注意してみましょう。
身体に負担をかけない飲み方をすれば、コーヒー好きになれる可能性を秘めています。
空腹時に飲まない
空腹時は胃酸が出やすい環境です。そこへ追い打ちをかけるようにコーヒーを飲むと、より多くの胃酸を分泌させ、胃が荒れる原因になります。
コーヒーを飲む前は、胃に何か入れてから飲むようにしましょう。
続けて大量に飲まない
コーヒーで吐き気や腹痛が出る方は、飲む量に気をつけてみましょう。コーヒーの刺激に慣れるまでは少量から始め、徐々に量を増やすと負担が減ります。
カフェインの摂取量は1日400mg以下が推奨されているので、マグカップ(237ml入り)で約3杯までが1日に飲んでも良い適切な量でしょう。
コーヒーが好きな方でもこれ以上飲むと健康を害する可能性があるので、過剰にコーヒーを飲むのは避けてください。
※参考サイト:厚生労働省|食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A
カフェインレスコーヒーにしてみる
カフェインが苦手とわかっている場合、カフェインレスコーヒーなら飲めるかもしれません。
カフェインレスコーヒーとは、コーヒー豆からカフェインを90%以下まで除去したものです。デカフェなどとも呼ばれます。
さらに、ノンカフェインと記載されていれば、元々カフェインが入っていない原料から作られているので、含有率は0%です。
カフェインレスかノンカフェインのコーヒーを選べば、カフェインの影響を受けずに飲め、身体の不調が出にくいでしょう。
体調が悪くなったら温かい水を飲もう
コーヒーにチャレンジしているとき、胃の痛みや腹痛などを感じたら、温かい水を飲むのがおすすめです。
血液中に入ったカフェインの濃度が高くなりすぎている可能性があるので、お湯を飲むことで濃度を下げ、体調不良を和らげてくれるでしょう。
コーヒーが飲めない人でも克服方法はある!
コーヒーはさまざまなシーンで用いられ、飲めた方が良いタイミングが少なからずあります。そのときのため、少しずつコーヒーの克服法を試すことは価値があるでしょう。
コーヒーへの苦手意識はなんらかの原因があるのでまずは原因を知り、その後の解決策に繋げます。
コーヒーは種類が豊富で、飲み方の自由度も高い飲み物です。今はコーヒーが飲めなくても、試行錯誤をして飲んでいくと、いつかは克服できるかもしれません。
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